Last Prisoner 教師を愛した私
先生じゃなきゃ、いやだ…。

「じゃ、勉強頑張れよ」
「…うん…」

先生は左手をひらひらさせながら廊下を歩いていった。

先生、ありがとう。

子供でごめんね、でも大好きだよ!


「あっ、そういえば…」
背中を見せて歩いていた先生が急に振り返った。
ポケットをごそごそさぐる。

なんだろう??

私が黙ってみていると先生は、

「ちゃんと受け取れよ!!」

と言って何かを放り投げた。

鈴の音がして、何かが私の手の中へ落ちた。

なんとかキャッチして目を開ける。

携帯電話だった。

しかもキティちゃんのストラップがついている。
「なくさないようにちゃんとストラップつけとけ!」

せんせ…。

ストラップ、つけてくれたんだ。

私絶対大事にするから!!

先生は何事もなかったように、コツコツ足音を立てて行ってしまった。
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