Last Prisoner 教師を愛した私
嬉しい。

幸せ。

先生大好き!!

「先生何やってるの」

「いや、ちょっとケーキを買おうと思って」

「何のケーキ?」

「豆乳ケーキ」

するとマサミはふふふふふ、と笑いだして、

「先生、エッチー!!!!奥さんに食べさせるつもりでしょ!?」

「はぁ、バカ!」

と言いながら先生の顔は真っ赤だ。

かわいい、先生。

でもちょっとジェラシー感じてるのは、私だけ?
「じゃあなんで豆乳ケーキなんか買うの?」

「娘が好きなんだよ、ここの豆乳ケーキ」

ちくっ、ちくっ。

針が何本も胸に刺さる。
娘なんて言わないでよ。
先生はみんなの先生でしょ?

誰かのものなんかじゃない。

「どうだかぁ、ねぇ、舞?」

私は顔から血の気が引くのを感じた。

「どうしたの、舞。顔真っ青」

「うん、まぁ、ちょっと」

「ホントだ、神宮寺大丈夫か?」

「うん、マサミ帰ろう…なんか気分悪くなってきちゃった」

先生は心配そうに私の方を見ていた。

でも私は視線を合わせられなかった。

いやだ、先生が娘のためにケーキを買う姿なんて見たくない。

わがままかな、私?
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