Last Prisoner 教師を愛した私
マサミ、相変わらずだなぁ。

マイペース。

でもちょっとうらやましい。

補習が始まったとき、私は水泳帽を更衣室に忘れてきたことに気づいた。
水泳帽がないと、プールに入れてもらえない。

私は体育の先生に事情を話して、更衣室まで取りに行くことにした。


更衣室は校舎のはずれにある。

めったに人の通らない場所だ。

使うときといったら、英語のLLの授業のときぐらい。

私は薄暗い廊下を誰もいないからいいや、と思って水着で歩いてたんだ。
更衣室について、ロッカーから帽子を取り出すとLL教室から声がした。
どうやら英語のテープを流しているようだ。

私はそろそろと引き戸を引いて中を覗く。

なんとそこには先生が一人で仕事をしていた。

やった、先生に会えた。
こんな水着姿じゃなければ声かけたんだけどな。
私は先生の邪魔をしないように、ドアを閉めようとした。

すると、

「あれ、神宮寺か?何やってんだ、そんなカッコで」

まずい、水着姿を見られた。

胸が小さいの、ばればれじゃん…。

せめてタオルを巻いてくればよかった。

「えー、水泳の補習だよ」

「あれ、今日だったっけ」

「うん」
< 52 / 96 >

この作品をシェア

pagetop