Last Prisoner 教師を愛した私
先生が立ち上がって、近づいてくる。

私の胸はすごくドキドキしてて、口から心臓が飛び出すかと思ったくらい。

先生は私の前に立つと、
「そういや、願い事、決めた?」

先生は少し顔が赤かった。

「先生、なんか顔赤いよ??どしたの?」

先生は私から目をそらした。

「何、どうしたの?何か私気に入らないこと、言った?」

心配になって訊く。

先生は後ろを向くと、

「いや、だってお前があんまりにも色っぽいから、っつーか、なんつーか」

えっ?

もしかして私の水着姿みて、照れてるの?

こんどは私が真っ赤になる番だ。

私は慌ててドアの陰に隠れた。

先生は後ろを向いたまま、

「で、願い事、決まった?」

先生の恥ずかしがっている姿がなんだかかわいくて。

私、今までにないくらい、大胆になってた。

先生の背中に抱きつくと、小さな声で言った。

「せんせ…?願い事、決まったよ…」

先生は腕を振り払わなかった。

「私を先生の恋人にして?他には何もいらないよ。だから、私を愛人にしてください」

先生は振り返ると、勢いよく私を抱きしめた。

ぎゅーって音がしそうなくらい。

背中で教室のドアが閉まった。
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