Last Prisoner 教師を愛した私
「俺、もう我慢できねぇよ…」

「えっ?」

「お前みたいな生徒、俺には好きにならずにはいられない、って言ってんの」

先生??

その言葉、本当?

「俺、初めてお前の担任になったとき、すごく気になってしかたなかった。でも俺も教師だし、結婚してるし、ずっと自分の気持ち、隠してきた。でももう限界…」

先生は私を抱きしめていた手を離し、指に私の髪を絡めると、

「いつも思ってた。お前の髪に触りたい、唇に触れたい、ぬくもりを感じたい、って」

髪の毛にキスをすると、もう片方の手で私の唇に触れた。

「やばいな、今の俺、変態みたいな顔してない?」

私はおかしくなって、ふふふ、と笑うと、

「すごくエッチな顔してる」

「やっぱり。全部お前のせいだからな」

先生は私の唇に自分の唇を重ねた。

先生の唇は優しかった。

私と先生は何度も唇を重ねた。

先生の舌が私の歯をひとつひとつ確かめていく。
不思議といやだとは思わなかった。

でも頭にふっと、お父さんのことが浮かんだ。

お父さんの影が私の頭の中で揺らめいて、砂嵐の中に消えていった。


窓の外から蝉の鳴き声が聞こえた。

夏の始まりを告げているようだった。
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