Last Prisoner 教師を愛した私
先生の肩に頭を預けると、先生は肩を抱いてくれた。

「なんで、もっと早く出会えなかったのかな?」
私が言うと、先生は、

「運命なんてそんなもんさ。いたずらに過ぎていくだけ」

先生はやっぱり大人だね。

そうやって割り切れるんだもん。

私にはそうやって割り切るなんてできないよ。


「せんせ…?」

「ん」

「いつも土日家にいなくて、怪しまれないの」

「吹奏楽部の練習が忙しい、って言ってある。まぁ、ほんとに忙しいけど、俺、形だけの顧問だし」

先生は吹奏楽部の顧問をしている。

私の学校の吹奏楽部はとても強い。

全国大会で何度も優勝している。

先生が吹奏楽部の顧問でよかった。
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