Last Prisoner 教師を愛した私

S5 夏の夜と、切ない花火

先生とドライブをしてから2週間が過ぎた。

あれから、先生にもらったPHSで毎日メールをしている。

電話はなんとなく怖くてできなかった。


>舞、今何してる?

>お風呂から今出たとこ

>俺も一緒に入りたい…!風呂のお湯に妬きそう^m^!!

>先生のエッチぃー(>_<)!


こんな他愛ないメールがなんだか幸せで。

満たされてるな、って思う。

でもやっぱり寂しくて夜、泣きながら枕を濡らしてしまうこともある。

先生からのメールを何度も読み返しては泣いて。
苦しくて、苦しくて、でも先生が大好きで。

愛してる、なんて言葉じゃ足りないくらい、気持ちがいっぱいいっぱいで。

なんてこの気持ちを表したら、いいんだろう?


「ただいまー♪」

私がベッドの中で泣きながら先生のメールを読んでいると、陽気な声が返ってきた。

お母さん、またお酒飲んできたんだ…。

仕方ないことだとわかっていても、母親の仕事にまだ理解を示すことができなかった。

私は涙を拭って布団から出ると、階段を下りた。
キッチンから鼻歌が聞こえてきた。

「お母さん、お帰り…」
モスグリーンのスーツを着た母親の背中に声をかけた。
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