Last Prisoner 教師を愛した私
空き地に着くと、私はわき目も振らず、先生の胸に飛び込んだ。

「せんせい、せんせい…会いたかったよぅ…!」
先生は私の髪を指ですきながら、

「俺も、メールだけじゃ我慢できないもんな」

と言ってぎゅっと抱きしめてくれた。

先生の胸は固くて、温かくて。

また涙がこぼれた。

先生のワイシャツに涙の染みができる。

「先生、私…」

「何も言わなくていいんだよ。辛いときは思いっきり泣けばいい」

先生の手が私の髪に触れたまま、私たちはキスをした。

柔らかい先生の唇だけが、今の私を救ってくれているような気がした。


柔らかな風が頬を撫でていった。

「ふふふふ…」

私は思わず笑い出してしまった。

「何、どうしたの?」

先生が不思議そうに尋ねた。

「なんだか私たち、ロミオとジュリエットみたいじゃない?」

「ああ、そうだな」

先生はそれ以上何も言わずにずっと抱きしめてくれていた。
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