Last Prisoner 教師を愛した私
「すみません、これ、ください」

店員さんはうなずくと、
「シルバーとゴールド、どちらになさいますか」
「じゃあシルバーで」

「はい、かしこまりました」

「あと」

「はい」

「片方はプレゼントにしてもらえますか」

「わかりました」

店員さんはガラスケースから丁寧にストラップを取り出すと、私に見せてから、

「もう少しお時間がかかると思いますので、中をご覧になってお待ちください」

「はい」

私は静かにうなずいた。

5分ほどで、店員さんは小さな包みを持って現れた。

「お待たせしました」

手にはリボンのかかった縦長の箱。

ラッピングは一つしか頼んでいないのに、2つともラッピングされていた。

「こちらも、お包みさせていただきました」

と笑顔を見せた。

私は嬉しくなって、何度もお礼を言った。

「大事になさってくださいね」

店員さんが言ってくれた言葉が嬉しくて、

「はい、大切にします」
と真面目に返事をしてしまった。

天使の翼。

私と先生にも翼があればいいのに。

そんな思いをこめて、私は先生にこのストラップを贈ることにした。
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