Last Prisoner 教師を愛した私
私は予備校の授業が終わったあと、話がある、とマサミにメールを送った。

マサミは、わかったぁ、とマサミらしい顔文字を使って返事を送り返してくれた。

心臓がどきどきしている。

マサミがどうか私たちのことを理解してくれますように。

そんなことばかり思っていた。


夜の10時。

私とマサミは学校のそばにある小さな公園で待ち合わせた。

この時間に公園にいるのは私たちだけ。

昼間は子供たちの声が溢れている。

私がつくより先に、マサミは公園のカバの乗り物にまたがって座っていた。

「マサミ、お待たせ」

「ああ、舞。急に話がある、って言うからびっくりしたよ」

「うん、ごめんね」

「いいって。私どうせ暇だし」

少しの沈黙と緊張感が私とマサミの間に流れた。
マサミは何も言わずに私のほうを見ている。

「あ、あのね、マサミ」
マサミはうん?と少し寂しそうな目をして私を見た。

「マサミにずっと隠していたことがあるの」

「うん」

「実は、私、新村先生と付き合ってるの」

「…」

「黙ってて本当にごめんね。でも言えなかった。先生には奥さんがいたし、マサミも先生が好きだったから」

マサミの髪が風に揺れる。
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