Last Prisoner 教師を愛した私
髪が顔を隠してしまうほど、強い風が吹いた。

マサミは、寂しそうな表情のまま、

「…知ってたよ」

「えっ」

「ずっと前から気づいてた。舞と先生が付き合ってる、って」

今度は私が黙る番だった。

「でも、いつか話してくれるだろう、って思って信じてたから何も言わなかったけど」

「そっか」

「ねぇ、舞」

「うん?」

「私ってそんなに信用できないかな。確かに口は軽いけど、親友の恋の話を言いふらすような人間ではないよ」

「マサミ、ごめん」

マサミは大きな目から大粒の涙をぽろぽろこぼしながら続けた。

「私、ずっと寂しかったよ。本当はすぐにでも話して欲しかったから。親友だと思ってるのは、私だけなのかな、って」

「そんなことない。マサミは私の大切な親友だよ。でも嫌われるのが怖くて言えなかった。軽蔑されるんじゃいか、っていつも怖かった」

「私は舞を軽蔑したりなんかしないよ」

マサミは声を震わせて言った。

肩が小刻みに震えている。

「マサミ…」

「私、舞ほど親友だ、って思える人と今まで出会えなかった。だから内緒にされてたのがすごく悲しかった」

「ごめん」
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