Last Prisoner 教師を愛した私
S1 揺れる想い
夏の半分が往き過ぎた。
向日葵の大輪の花は首を垂れ、重たそうに風に揺れている。
学校の補習の合間を縫っては私と先生は学校のLL教室で逢っていた。
あまり人の来ないLL教室は私と先生が唯一二人でくつろげる場所になっていた。
そして、はじめて私たちが結ばれたのも、この教室だった。
先生と隣り合った席に座り、ノートを開いて勉強を教わっているフリをしながら、本当はもっと別のことを話していた。
「ねぇ、先生。先生のお父さんてどんな人なの」
「俺の親父?大人しい人だよ」
「大人しい?」
「ああ、味噌汁が塩辛くても、『まずい』って正直にいえない人」
「あはははは」
「俺としては威厳のある父親であって欲しかったんだけどな」
「そっかぁ、先生とは正反対なんだね」
先生は、「どういう意味だぁー!!」とふざけながら私の頭に拳骨を落とした。
でもその手が私の髪に触れたとき、廊下を歩く人の声が聞こえた。
めったに人の来ないこの辺りでは、人が通ると、かえって驚く。
私と先生も慌てて、声をひそめ、少し席を離した。
壁が薄いのか、会話する声がもれ聞こえてくる。
「ねぇ、なんかさ、最近変な噂流れてるの知ってる?」
向日葵の大輪の花は首を垂れ、重たそうに風に揺れている。
学校の補習の合間を縫っては私と先生は学校のLL教室で逢っていた。
あまり人の来ないLL教室は私と先生が唯一二人でくつろげる場所になっていた。
そして、はじめて私たちが結ばれたのも、この教室だった。
先生と隣り合った席に座り、ノートを開いて勉強を教わっているフリをしながら、本当はもっと別のことを話していた。
「ねぇ、先生。先生のお父さんてどんな人なの」
「俺の親父?大人しい人だよ」
「大人しい?」
「ああ、味噌汁が塩辛くても、『まずい』って正直にいえない人」
「あはははは」
「俺としては威厳のある父親であって欲しかったんだけどな」
「そっかぁ、先生とは正反対なんだね」
先生は、「どういう意味だぁー!!」とふざけながら私の頭に拳骨を落とした。
でもその手が私の髪に触れたとき、廊下を歩く人の声が聞こえた。
めったに人の来ないこの辺りでは、人が通ると、かえって驚く。
私と先生も慌てて、声をひそめ、少し席を離した。
壁が薄いのか、会話する声がもれ聞こえてくる。
「ねぇ、なんかさ、最近変な噂流れてるの知ってる?」