Last Prisoner 教師を愛した私
マサミはやったー、と声を上げると、校門からはじけだすように飛び出した。

駐輪場にとめておいた自転車にまたがり、マサミの行きたいところに連れて行ってもらうことにした。

マサミのこいでいる自転車の後ろで私は、叫んだ。

「不景気の馬鹿やろー!!」

するとマサミもくすくす笑いながら、

「それ、私のせりふだし」

と言ってから、

「舞の馬鹿やろー!!」
と叫んだ。

私が、なによー、と口を尖らすと、マサミも尖らせて、なによー、と言い返してきた。

それがまたくだらなくて私たちは笑った。

この世の中なんて必要なものだけでできているわけじゃない。

くだらないものだってあってこそ成り立つ世界なんだ。

誰かが馬鹿にしたって構いやしない。

私とマサミの間に横たわるのは、友情という名の永遠なんだ。

私たちは自由なんだ。

誰にも束縛されないし、束縛もしない。

外国のロックシンガーが歌っていた歌を思い出した。

想像してごらん。

そのシンガーはそう歌っていた。

私はその歌を初めて聴いたとき、とても感動して鳥肌が立ったのを覚えている。

戦争も、争いも、対立も、何もかもなくなれば平和になれるのに。
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