平凡な私の学園生活
side海道


その計画に至ったのは、本当に気まぐれだった。

あのイケメンオーラと強烈なフェロモンをぶちまけている神代先輩が、一目惚れしたとかいう夏目先輩は、一体どんな手を使って取り入ったのか。

もしくは、神代先輩が一目惚れするほどに美しいのか。

ただそれだけが知りたくて、夏目先輩を訪ねた。

まぁ、もし後者であれば、あの神代先輩が一目惚れするほどの綺麗な人だ。

一度は見てみたかった。

・・・ちょっとした下心付きで。




が、結果はお察しの通りだ。

綺麗でもなければ、取り入ってもいない。

というか、夏目先輩は取り入る何てこと、出来なさそうだ。 



けど、花は好きかという問いを答えたときの、あの寂しそうな顔に、惹きつけられたのは間違いない。

どこに、と聞かれてもわからない。

どうして、と聞かれてもわからない。

ただ、気が付いた時にはもう、手遅れだった。

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