平凡な私の学園生活
「さて、早く終わらせて帰りましょうか。」
~十分後~
「よし。では、これを届けて終わりですね。」
職員室にいるであろう先生に日誌を届けに行く途中、ふと窓の外を見るとザァーと雨が激しく降っている。
まぁ、濡れる覚悟で帰りますけどね。
今日に限って傘を忘れてしまいましたし・・・・。
っと、そんな事を考えるより、先ずは日誌を____
ドンッ
届けたいな、と思っていた時がありました。
どうやら、私が前を見ずに急に走り出そうとしたので、前からきた誰かとぶつかってしまったようです。
前方不注意だったことは認めますが、吹っ飛んだのは私ですから。
それでチャラということになりませんかね?
「おい、前を見て歩け。危ないだろ。」
「はい。ぶつかってしまい、すみませんでした。」
低い声。
私は一体どんな人にぶつかってしまったのでしょうか?
ちょっとだけ、見てみたいです。
そう、ちょっとだけ、ちょっとだけ・・・・。
そんな軽い気持ちでチラリと見ると、それはもうバッチリと目が合いました。
・・・・そんな偶然は、ここでは必要ないのですが。
そして、時が止まったように目を合わせること十数秒。
私、にらめっこはもう限界です。
逸らしてもいいですよね?!
いいですよね??!!
「おい、目を逸らそうとするな。俺を見ろ。」
な ぜ で す か ?!
そんなにぶつかった事が気にくわなかったんですか?!
ほぼ初対面の人とずっと目を合わせるとか、何かの罰ですか?
「お前は、何だ?」
それはこちらのセリフです。
「・・・・まぁ、いい。学年と名前は?」
「二年、夏目千優ですけど。あなたは?」
ちょっとした反抗です。
私は名乗ったのに、お前は名乗らないなんてズルいぞ!
的な反抗です。
「三年、七瀬遥(ナナセ ハルカ)だ。今生徒会の副会長をやっている七瀬望(ナナセ ノゾミ)の兄だ。」
目を見つめ合ったまました自己紹介だったからかは知りませんけど、取り敢えず
「嘘はつかないで下さい。」
私だけ本当の自己紹介をしたとかは、なしですから。