悲しみの涙を
人に睨まれて恐怖を感じるなんてことは今までなかった。


自然と足が震える。


それでも答えなければきっと刀で殺されると本能が警告している。


「あ、の私は東京の者です。」


「……とうきょう?」


(…やっぱり)


東京という誰でも知っている地名を聞いても知らないという顔をしている男の人を見て私は確信した。


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