悲しみの涙を
「違います。私は…」


医者ですと言おうと思ったが口をつぐんだ。


タイムスリップしたなら、もう医者である必要もない。私を天才だと言って医者をやめさせれなくする人もいない。


「どうした?」


「いえ、大丈夫です。…私は旅人です!」


男の人は眉間に皺を寄せて私をさらに睨む。


「旅人だと?」


「…はぃ」


怖さのあまり最後返事が小さくなった。


男の人は私が嘘をついてることをみぬいてるようだった。


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