悲しみの涙を
丁寧に自己紹介されたので私も慌てて名乗った。


「岸本天望です。えっと、旅人です。」


「ふーん。旅人ねぇ…。君、もうちょっとましな嘘思いつかなかったの?」


沖田さんに痛いところを突かれ言葉を返せなくなった。


「まあ、旅人かどうかは置いといてお前の着ている着物は異国のものか?」


土方さんに服を指摘され自分の服を見る。


仕事をした後だったから医師の服に白衣を上から着ている。


確かにこの時代からしたら不自然な格好だ。


「それは異国の服かい?」


近藤さんに尋ねられたが私は何と答えていいのか分からなかった。


未来から来たと言って誰が信じるだろうか?


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