悲しみの涙を
チャキ…


首に冷たい物が触れた。


それが刀だということに気づくのに時間はかからなかった。


下を向いていた顔をゆっくり上げると沖田さんが笑っていた。


「早く答えた方が身の為だけど?…長州の間者って分かったら問答無用で斬るけどね」


全く笑っていない沖田さんの目を見て私はなんて悲しい目をする人なんだろうと思った。


さっきはただ怖かっただけの目は斬るという言葉を口にした時、私には悲しげに見えた。







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