悲しみの涙を
「おい。そこで何している」


突然、暗闇から男の人の澄んだ声が聞こえた。


(綺麗な声…)


風が吹き雲に覆われていた月が明るく辺りを照らした。


私は思わず息を呑んだ。


そこには綺麗な男の人が立っていた。


背は160cmの私より10cmほど高そうだ。


何より漆黒の真っ直ぐで強い瞳に私は吸い込まれそうになった。


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