教師なんて…
1冊の参考書を私に渡してくれた。
妙にカラーが使われていないシンプルなものだ。
ただ、分厚い参考書なだけあって少々お値段も…。
『どう?使いやすいと思うけど』
「はい、これにします」
値段の事は親がなんとかしてくれてるから、
全く問題ない。
「ありがとうございました」
そう頭を下げて、レジに行こうとすると
『勉強熱心な月島さんに俺からプレゼント』
そう言うと、私の手から参考書を奪っていった。
「こ、困ります。自分で払えます」
そう言ったけど、前島は参考書から手を離して
くれそうもない。