教師なんて…
【私は気管に穴を開けているので、
話せません。この機械と筆談が私の言葉です】
ちょっと驚いた。でも笑顔で接してくれる
岸田沙織さん。
〔沙織ちゃん、お部屋案内したら?〕
櫻木先生の提案で、私と沙織さんは
お部屋に行くことにした。
【ここが私の部屋】
綺麗に整頓され、パステルカラーで落ち着きの
ある素敵なお部屋だ。
「可愛い~」
思わず声をあげると、岸田沙織さんは
ニッコリ笑った。
【私のことは沙織でいいよ。
ねぇ、あだ名で呼んでもいい?】
話すのと同じくらいのスピードで、機械を
操作して、沙織さんは言った。