教師なんて…



『もし良かったら、ちょっとだけ弾いてやって
くれない?』



先生の少し困った顔と俊くんの輝いている



表情を見ていると、とても嫌だとは




言えなかった。





「どういう感じの曲がいい?」



私は俊くんと目線を合わせて、
話しかける。



「激しいの?」


俊くんの腕は動かない。



「優しい音楽?」



そう問いかけると、俊くんの腕は


微かに持ち上がった。




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