教師なんて…
「じゃあカノンを弾きます」
少し緊張気味に、ピアノの前に行く。
先生方には了解を得た。
「では、聴いてください。カノン」
少し指慣らしをしたあとに、弾き始めた。
やっぱりこの曲は好きだ。
親はこんな簡単な曲を練習しないように、
強く言っていたから、久しぶりに弾く。
温かい曲は安心感をみんなに与えると思う。
【すご~い、すごいよ。】
沙織ちゃんの声でカノンを弾き終えたことを
知る。
周りを見渡すと他のディサービスを利用
している子達がピアノの前に集まっていた。