彼の瞳に独占されています
朝礼は、四階の社員皆がフロアの一角に集まって行う。
挨拶の復唱をし、フロアマネージャーから前日の売上や今日の催事の案内などの話を聞くと、それぞれの持ち場に戻って業務開始だ。
私の担当はスーツのオーダーメイドサロン、通路を挟んで斜め向かいにある紳士雑貨のコーナーは、弥生ちゃんが担当している。「またお昼休みに」と約束して、お互い売場へ向かった。
サロンには、光沢のあるフロアにシックな黒い棚が設置され、スーツの色やサイズが、ちぐはぐになることなく綺麗に並べられている。
スタッフは私を入れて六人。繁忙期でない今は、だいたい毎日三、四人で回している。
接客はもちろん、採寸をするのが私の主な仕事。今日もフロアの奥にある接客スペースで、お客様の要望を聞いている。
今、私と向かい合って黒いソファーに座っているのは、おそらく三十代前半であろう営業マン。ナチュラルな黒髪に、セクシーさを感じる切れ長の瞳、どれを取ってもイケメンオーラ全開の男性だ。
失恋直後とはいえ、こんなモデルのような男性を前にしたら、否応なくドキドキしてしまう。
ついいつもの癖でじっくり彼を観察しながら、形の良い唇から紡がれる言葉に耳を傾ける。
挨拶の復唱をし、フロアマネージャーから前日の売上や今日の催事の案内などの話を聞くと、それぞれの持ち場に戻って業務開始だ。
私の担当はスーツのオーダーメイドサロン、通路を挟んで斜め向かいにある紳士雑貨のコーナーは、弥生ちゃんが担当している。「またお昼休みに」と約束して、お互い売場へ向かった。
サロンには、光沢のあるフロアにシックな黒い棚が設置され、スーツの色やサイズが、ちぐはぐになることなく綺麗に並べられている。
スタッフは私を入れて六人。繁忙期でない今は、だいたい毎日三、四人で回している。
接客はもちろん、採寸をするのが私の主な仕事。今日もフロアの奥にある接客スペースで、お客様の要望を聞いている。
今、私と向かい合って黒いソファーに座っているのは、おそらく三十代前半であろう営業マン。ナチュラルな黒髪に、セクシーさを感じる切れ長の瞳、どれを取ってもイケメンオーラ全開の男性だ。
失恋直後とはいえ、こんなモデルのような男性を前にしたら、否応なくドキドキしてしまう。
ついいつもの癖でじっくり彼を観察しながら、形の良い唇から紡がれる言葉に耳を傾ける。