彼の瞳に独占されています
ぽかんとする私に、永瀬さんはちょっぴり意地悪な笑みを浮かべて言う。
「あれだけのイケメンが来たら、いつももっと目をキラッキラさせてるのに、今日の長谷川さんはなんか落ち着いてたから。もう身を固める決意でもしたのかなと」
……あ、そーいうことですか、と納得してうなだれる私。
そういえば、永瀬さんにも彼氏がいると言ってしまっていたっけ。
というか、一応付き合っていると思っていた浮名さんという存在がいたにもかかわらず、これまで他の男の人に目を輝かせていた私っていったい……。
やっぱり私の気持ちもそれだけの軽いものだったのか、と実感しつつ苦笑する。
「実は逆なんです。お別れしたんですよ」
売場の奥へと一歩足を踏み出して告白すると、同じく歩き出す永瀬さんが、意外そうに目を丸くする。
「そうなのか? うまくいってそうだったのに」
「そう思ってるのは私だけだったんです。……バカだったんです、私が」
嘲笑を漏らして、照明が反射するフロアへと目線を落とした。
ちょっと優しく声を掛けてもらったり、身なりが良かったり、そんなことだけで簡単に彼に惹かれてしまった自分がいけないのだと、十分わかっている。
今回だけではなく、これまで好きになった人は皆条件に合った人から選んでいて、どれも薄っぺらい恋愛だったような気がする。
もうこれからは、外見とか肩書きとか、自分の理想ばかりに囚われないで、しっかり現実を見つめなければ。
「あれだけのイケメンが来たら、いつももっと目をキラッキラさせてるのに、今日の長谷川さんはなんか落ち着いてたから。もう身を固める決意でもしたのかなと」
……あ、そーいうことですか、と納得してうなだれる私。
そういえば、永瀬さんにも彼氏がいると言ってしまっていたっけ。
というか、一応付き合っていると思っていた浮名さんという存在がいたにもかかわらず、これまで他の男の人に目を輝かせていた私っていったい……。
やっぱり私の気持ちもそれだけの軽いものだったのか、と実感しつつ苦笑する。
「実は逆なんです。お別れしたんですよ」
売場の奥へと一歩足を踏み出して告白すると、同じく歩き出す永瀬さんが、意外そうに目を丸くする。
「そうなのか? うまくいってそうだったのに」
「そう思ってるのは私だけだったんです。……バカだったんです、私が」
嘲笑を漏らして、照明が反射するフロアへと目線を落とした。
ちょっと優しく声を掛けてもらったり、身なりが良かったり、そんなことだけで簡単に彼に惹かれてしまった自分がいけないのだと、十分わかっている。
今回だけではなく、これまで好きになった人は皆条件に合った人から選んでいて、どれも薄っぺらい恋愛だったような気がする。
もうこれからは、外見とか肩書きとか、自分の理想ばかりに囚われないで、しっかり現実を見つめなければ。