彼の瞳に独占されています
そう反省しているから、今のイケメンなお客様にもうつつを抜かさなかったのだと思う。彼の未婚既婚にかかわらず、ね。
でも、それより私が目を輝かせていたというのがバレバレだったことが恥ずかしい。
「私そんなにわかりやすかったんですね……」
自分のみっともなさにも呆れて肩を落とすと、永瀬さんは独り言のように言う。
「いや、僕が君をよく見てるだけかもしれないな」
…………ん? “よく見てる”?
意味深な一言に少しドキリとしたけれど、見上げた彼はいつもの仕事中と同じ、紳士的な笑みを浮かべている。
「プライベートでもいろいろあるだろうけど、これからも頑張って。イケメンに目移りしちゃっても、長谷川さんは接客態度も申し分ないし、信頼してるから」
「あ、はい……!」
背筋を伸ばして返事をしたものの、今のは決して純粋に褒められたわけではないよね……。
そうか。私を見ていたというのも、余計なことばかり考えて仕事に支障をきたさないかチェックしていたんだ、きっと。
あちゃーと頭を抱えたくなるけれど、今すぐにでも気持ちを引き締めなきゃ。
商品をチェックする永瀬さんの真剣な姿を見つめながら、もう仕事に私情は持ち込まないようにしようと心に決めるのだった。
でも、それより私が目を輝かせていたというのがバレバレだったことが恥ずかしい。
「私そんなにわかりやすかったんですね……」
自分のみっともなさにも呆れて肩を落とすと、永瀬さんは独り言のように言う。
「いや、僕が君をよく見てるだけかもしれないな」
…………ん? “よく見てる”?
意味深な一言に少しドキリとしたけれど、見上げた彼はいつもの仕事中と同じ、紳士的な笑みを浮かべている。
「プライベートでもいろいろあるだろうけど、これからも頑張って。イケメンに目移りしちゃっても、長谷川さんは接客態度も申し分ないし、信頼してるから」
「あ、はい……!」
背筋を伸ばして返事をしたものの、今のは決して純粋に褒められたわけではないよね……。
そうか。私を見ていたというのも、余計なことばかり考えて仕事に支障をきたさないかチェックしていたんだ、きっと。
あちゃーと頭を抱えたくなるけれど、今すぐにでも気持ちを引き締めなきゃ。
商品をチェックする永瀬さんの真剣な姿を見つめながら、もう仕事に私情は持ち込まないようにしようと心に決めるのだった。