彼の瞳に独占されています
自分を叱咤していると、弥生ちゃんが私の腕を掴んできりりとした口調で言う。
「しっかりしてください、先輩。食事に誘われたんでしょう? しかも理想通りの男の人に。待ちに待った大チャンスじゃないですか!」
彼女の口調は次第に興奮気味に変わり、にやりと口元を緩めて私の背中をバシバシと叩く。
お客様はいつの間にかいなくなっているし、幸い周りにもいないから、誰も気に留めることはない。
……そう、私はずっと求めていた理想の男性にお声を掛けられたのだ。これはまたとないチャンス。
けれど、今まで追い掛けることはあっても、逆はあまりなかったから現実味がないし、どうにも信じられない。いざこうなると、何で私を?と思ってしまう。
あの永瀬さんが私を誘うって、直属の上司と部下として、という意味でなんじゃないだろうか。
そんな疑いがどうしても拭えないでいる私に、弥生ちゃんは頼もしい言葉を掛けてくれる。
「嫌いな人誘ったりなんてしないし、仕事仲間としてだったら皆で行くだろうし、脈アリは間違いないですよ」
「……やっぱりそう思う?」
前向きな見解に少し勇気をもらえて、弥生ちゃんにずいっと顔を寄せると、彼女はうんうんと頷く。
「しっかりしてください、先輩。食事に誘われたんでしょう? しかも理想通りの男の人に。待ちに待った大チャンスじゃないですか!」
彼女の口調は次第に興奮気味に変わり、にやりと口元を緩めて私の背中をバシバシと叩く。
お客様はいつの間にかいなくなっているし、幸い周りにもいないから、誰も気に留めることはない。
……そう、私はずっと求めていた理想の男性にお声を掛けられたのだ。これはまたとないチャンス。
けれど、今まで追い掛けることはあっても、逆はあまりなかったから現実味がないし、どうにも信じられない。いざこうなると、何で私を?と思ってしまう。
あの永瀬さんが私を誘うって、直属の上司と部下として、という意味でなんじゃないだろうか。
そんな疑いがどうしても拭えないでいる私に、弥生ちゃんは頼もしい言葉を掛けてくれる。
「嫌いな人誘ったりなんてしないし、仕事仲間としてだったら皆で行くだろうし、脈アリは間違いないですよ」
「……やっぱりそう思う?」
前向きな見解に少し勇気をもらえて、弥生ちゃんにずいっと顔を寄せると、彼女はうんうんと頷く。