彼の瞳に独占されています
「ごめん、こんな話はやめよう。もう終わったことだ」
さっぱりとした表情に戻った彼を見て、私も暗い顔はやめ、とりあえず今は食事をいただこうとフォークを手にした。
料理もワインもとても美味しく、リッチな雰囲気の空間にも大満足。
けれど、どうしても自分への嫌気は消えなくて、心の底から楽しむことができなかった。
永瀬さんが私のために今日の素敵な時間を過ごさせてくれたというのに、こんなに失礼なことってない。
帰りの車中では、余計なことは考えず、とにかく永瀬さんとの会話を楽しむことにした。
そうして私のアパートの前に着くと、彼はエントランスまで送ると言って、私と一緒に車を降りる。
「大丈夫? 飲み過ぎてない?」
「全然大丈夫です!」
心配してくれる彼に、私はにっこり笑ってみせた。いろいろと考えていたせいか、ほとんど酔っている感覚はない。
エントランスの段差の前で彼と向き合い、頭を下げる。
「今日は本当にありがとうございました。誕生日のお祝いだったのに、私の方がごちそうになっちゃってすみません」
「いいんだよ。萌ちゃんと過ごせたことがプレゼントなんだから」
その言葉がなんだか恥ずかしくて俯きたくなったものの、永瀬さんの表情がスッと真剣なものに変わり、その瞳に捕らえられてしまった。
さっぱりとした表情に戻った彼を見て、私も暗い顔はやめ、とりあえず今は食事をいただこうとフォークを手にした。
料理もワインもとても美味しく、リッチな雰囲気の空間にも大満足。
けれど、どうしても自分への嫌気は消えなくて、心の底から楽しむことができなかった。
永瀬さんが私のために今日の素敵な時間を過ごさせてくれたというのに、こんなに失礼なことってない。
帰りの車中では、余計なことは考えず、とにかく永瀬さんとの会話を楽しむことにした。
そうして私のアパートの前に着くと、彼はエントランスまで送ると言って、私と一緒に車を降りる。
「大丈夫? 飲み過ぎてない?」
「全然大丈夫です!」
心配してくれる彼に、私はにっこり笑ってみせた。いろいろと考えていたせいか、ほとんど酔っている感覚はない。
エントランスの段差の前で彼と向き合い、頭を下げる。
「今日は本当にありがとうございました。誕生日のお祝いだったのに、私の方がごちそうになっちゃってすみません」
「いいんだよ。萌ちゃんと過ごせたことがプレゼントなんだから」
その言葉がなんだか恥ずかしくて俯きたくなったものの、永瀬さんの表情がスッと真剣なものに変わり、その瞳に捕らえられてしまった。