彼の瞳に独占されています
◇いつでも、君しか愛せないから
Side*淳一
中学時代、入学して初めての席替えで隣同士になった萌とは、すぐに意気投合した。
波長が合うというか、ボケとツッコミのバランスが取れているというか。とにかく、一緒にいて一番楽しい女子があいつだった。
学力も同じくらいだった俺たちは、偶然同じ高校を受験し、さらには高校でまで同じクラスになったものだから、当然仲の良さも増す。
入学したときから親しかったせいで、クラスの奴らに付き合っていると思われていたが、それも致し方ないだろう。
しかし、高校生になって、どんどん女らしく成長していくあいつを見ていると、なぜだか胸騒ぎがした。
長くなった髪の毛を風になびかせる姿は、ずっと見ていたいくらい綺麗で。丈の短い制服のスカートから覗く白く細い脚は、見てはいけないもののように思えて目を逸らす。
そんなふうに、あいつのすべてに動揺させられて、思春期の俺は大変だったのだ。
だが、それはただの性的興味なだけなのかもしれない。近くにいるから萌ばかり見てしまうだけで、別に特別視しているわけではないんじゃないか。
そんな疑問も生まれ、自分の気持ちがよくわからなくなっていたときだ──彼女の父親が亡くなったのは。