彼の瞳に独占されています
気まずそうに告げる彼女を見ていると、俺もその方がいいような気がした。
付き合うことで、俺の前で自然な笑顔を見せてくれなくなるのなら、友達のままの方がよっぽどいいんじゃないか、と。
そうして、俺たちの恋人関係は呆気なく終わり、仲の良い友達に戻った。
しかし、萌への気持ちがそう簡単になくなるわけがない。
いつだってあいつを目で追ってしまうし、男と話しているところを見れば嫉妬してしまう。あいつはもう、俺を友達としか思っていないというのに。
未練がましい自分が嫌で、萌から離れるために、告白してきた他のクラスの女子と付き合ってみたりもした。
しかし、階段の陰で彼女から不意打ちでキスされたとき、俺は何も感じなかった。
その子だけじゃない。何人か付き合い、キスもその先に及んでも、得られるのは性的な快感だけ。
簡単に触れることをためらうのも、俺の心を満たしてくれるのも、ひとりしかいない。……萌じゃないとダメなのだと、思い知るだけだった。
お互い別々の大学に進み、ようやく萌と離れたことで、今度こそ新しい恋ができるだろうと期待したものの、結果は同じ。
時々メールで近況を報告し合えば、あいつは年上のエリートらしき彼氏ができただのなんだのと自慢してくるし……。そのたびに俺は、人知れず肩を落としていた。
付き合うことで、俺の前で自然な笑顔を見せてくれなくなるのなら、友達のままの方がよっぽどいいんじゃないか、と。
そうして、俺たちの恋人関係は呆気なく終わり、仲の良い友達に戻った。
しかし、萌への気持ちがそう簡単になくなるわけがない。
いつだってあいつを目で追ってしまうし、男と話しているところを見れば嫉妬してしまう。あいつはもう、俺を友達としか思っていないというのに。
未練がましい自分が嫌で、萌から離れるために、告白してきた他のクラスの女子と付き合ってみたりもした。
しかし、階段の陰で彼女から不意打ちでキスされたとき、俺は何も感じなかった。
その子だけじゃない。何人か付き合い、キスもその先に及んでも、得られるのは性的な快感だけ。
簡単に触れることをためらうのも、俺の心を満たしてくれるのも、ひとりしかいない。……萌じゃないとダメなのだと、思い知るだけだった。
お互い別々の大学に進み、ようやく萌と離れたことで、今度こそ新しい恋ができるだろうと期待したものの、結果は同じ。
時々メールで近況を報告し合えば、あいつは年上のエリートらしき彼氏ができただのなんだのと自慢してくるし……。そのたびに俺は、人知れず肩を落としていた。