その羽根を僕にください
「拓海、どうする?」
後ろから20が声を掛けてきた。
「もうそろそろ、ここから離れないといけない」
天を見上げた20は空気の流れを鋭く見つめる。
「20、最後に真由ちゃんとお別れしたい」
20は頷いた。
「…時間が来たら、無理矢理にでも連れていく。
いい?」
いつもは優しい声なのに今は緊張感で溢れている。
僕がこれ以上、ここにいたらダメなんだね。
大きく深呼吸をして真由ちゃんを見つめる。
いつの間にか日が変わり告別式も終わりに近づいていた。
僕の見慣れた肉体も、これでお別れだね。
…せっかく鍛えたのになあ。
それだけが残念。
「ちょっと、待って」
棺桶の蓋が閉じられようとした時、真由ちゃんが叫ぶ。
その瞬間、強い力に引っ張られる。
僕は何と自分の肉体に戻ってしまった。
体は動かないけれど。
真由ちゃんの唇が僕の唇に重なる。
…この感触、よく知っている。
「ありがとう」
そう言った真由ちゃんは優しく微笑んでいた。
「…こちらこそ、ありがとう」
本当に、ありがとう。
僕の事を好きになってくれて。
支えてくれて、ありがとっ!
もうこの手で真由ちゃんに触れられないのが残念。
…残念すぎて、涙が止まらないよ。
真由ちゃんは思いっきりかわいい笑顔を僕に向けてくれたと思った瞬間。
真っ暗になった。
後ろから20が声を掛けてきた。
「もうそろそろ、ここから離れないといけない」
天を見上げた20は空気の流れを鋭く見つめる。
「20、最後に真由ちゃんとお別れしたい」
20は頷いた。
「…時間が来たら、無理矢理にでも連れていく。
いい?」
いつもは優しい声なのに今は緊張感で溢れている。
僕がこれ以上、ここにいたらダメなんだね。
大きく深呼吸をして真由ちゃんを見つめる。
いつの間にか日が変わり告別式も終わりに近づいていた。
僕の見慣れた肉体も、これでお別れだね。
…せっかく鍛えたのになあ。
それだけが残念。
「ちょっと、待って」
棺桶の蓋が閉じられようとした時、真由ちゃんが叫ぶ。
その瞬間、強い力に引っ張られる。
僕は何と自分の肉体に戻ってしまった。
体は動かないけれど。
真由ちゃんの唇が僕の唇に重なる。
…この感触、よく知っている。
「ありがとう」
そう言った真由ちゃんは優しく微笑んでいた。
「…こちらこそ、ありがとう」
本当に、ありがとう。
僕の事を好きになってくれて。
支えてくれて、ありがとっ!
もうこの手で真由ちゃんに触れられないのが残念。
…残念すぎて、涙が止まらないよ。
真由ちゃんは思いっきりかわいい笑顔を僕に向けてくれたと思った瞬間。
真っ暗になった。