その羽根を僕にください
2.天国への階段
「はあはあ…」

後ろから20の息が上がっているのが聞こえる。

暗闇になった、と思ったら今度は辺りが明るい。
クリーム色のふわふわとした空間にいた。

もう下を見ても、何も見えない。

僕はゆっくりと後ろを振り返った。

「危なかった…」

20は自分の手のひらを握り締める。
微かに震えていた。

「あのまま、あそこにいたら…拓海は次のステップを踏めなかった。
ごめん、本当はもう少し一緒にいたかったと思うけれど」

20…。

僕は首を横に振った。

「ありがとう、20」

それは僕も何となく感じていた。
20がいなければ僕は得体のしれないモノに襲われていたかもしれない。

「20」

僕は不安を口にしてみた。

「この後、僕はどうなるの?」

もう下を見ても何も見えない。

「そうねぇ…」

20は僕の顔をじっと見つめた。

「人助け、でもしてもらおうかしら」



…人助け?
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