その羽根を僕にください
「拓海、大丈夫?」
20の声にハッと我に返った。
「うん…」
真由ちゃんとそーちゃんの結婚はその後、信じられないスピードで纏まった。
真由ちゃんの心も僕を失った悲しみから何か温かい気持ちが溢れるようになった。
一方の僕は、心が吹雪いている。
覚悟はしていたけれど、ショックだった、正直なところ。
真由ちゃんの愛は…重い部分があったのは確か。
でも、ふと自分から離れる時の寂しさ。
僕、我儘だと思う。
自分勝手だと思う。
でも、そーちゃんに嫉妬してしまうよ。
本来、そこのポジションは僕だったんだよ?
…なんて、もう僕はその世界に存在しないのに。
そんなことを思うなんて、バカみたいだけれど。
でも、でも!!
もし許されるならもう少し、生きたかった。
「拓海…」
20はいつの間には僕の目の前にいた。
そして自然と流れてくる涙をそっと拭いてくれる。
「…まだまだ成長する余地があったのにね。
どうしてもこちらに戻って来なくてはいけなくなったが為にこんな結果。
純粋すぎて…あなたは今にも壊れそうだわ」
20…もういいよ。
そんな言葉。
「ずっと、変わらないね、拓海…」
…えっ?
僕は顔を上げた。
「前から…僕のことを知ってるんだね?」
20はしまった!という顔をしている。
「さあ、どうだろ」
また誤魔化す!!
「ところで拓海。
あなたにとってもう一人、大切な人が大きな岐路に立たされているわ」
20は人差し指を僕の目の前に立てた。
その指先からぼんやりと映像が見える。
「透?」
「行って、彼の決意を見てきて欲しいの」
20の指先に僕は吸い込まれてしまった。
20の声にハッと我に返った。
「うん…」
真由ちゃんとそーちゃんの結婚はその後、信じられないスピードで纏まった。
真由ちゃんの心も僕を失った悲しみから何か温かい気持ちが溢れるようになった。
一方の僕は、心が吹雪いている。
覚悟はしていたけれど、ショックだった、正直なところ。
真由ちゃんの愛は…重い部分があったのは確か。
でも、ふと自分から離れる時の寂しさ。
僕、我儘だと思う。
自分勝手だと思う。
でも、そーちゃんに嫉妬してしまうよ。
本来、そこのポジションは僕だったんだよ?
…なんて、もう僕はその世界に存在しないのに。
そんなことを思うなんて、バカみたいだけれど。
でも、でも!!
もし許されるならもう少し、生きたかった。
「拓海…」
20はいつの間には僕の目の前にいた。
そして自然と流れてくる涙をそっと拭いてくれる。
「…まだまだ成長する余地があったのにね。
どうしてもこちらに戻って来なくてはいけなくなったが為にこんな結果。
純粋すぎて…あなたは今にも壊れそうだわ」
20…もういいよ。
そんな言葉。
「ずっと、変わらないね、拓海…」
…えっ?
僕は顔を上げた。
「前から…僕のことを知ってるんだね?」
20はしまった!という顔をしている。
「さあ、どうだろ」
また誤魔化す!!
「ところで拓海。
あなたにとってもう一人、大切な人が大きな岐路に立たされているわ」
20は人差し指を僕の目の前に立てた。
その指先からぼんやりと映像が見える。
「透?」
「行って、彼の決意を見てきて欲しいの」
20の指先に僕は吸い込まれてしまった。