その羽根を僕にください
優しい風が頭上を通り抜けたと思った。

ふと、周りの見るといつもの光の中にいた。

20が僕の頭を撫でている。

「拓海の心が痛い」

どうして彼女はそれがわかるのだろう。

そんな彼女はひたすら僕の頭を撫でていた。

目からこぼれる涙とは裏腹に僕の心は癒されていた。

心地よい。

今まで生きていた時、こんな心地よさは感じたことがない。



でも。



遠い昔にこういう事があったのかも。

どこか懐かしい。

そしてまた、胸が痛むんだ。

思い出そうとするんだけれど、とても大切なことがそこにはあった気がするんだけれど。

思い出せない。

歯がゆくて、辛い。
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