ポプリ
「えっ?」
武もそのチョコには見覚えがないらしく、不思議そうな顔で鞄を覗く。
「一体誰から……」
そう言いながら綺麗にラッピングされた包みを取り出すと、そこからメッセージカードがするりと落ちていった。
それを花音が拾い上げ、中を確認。
『武くんへ
ハッピーバレンタイン
橘セレナ』
「えええ、これ本命だよね? 拓ちゃんのとこのセレナちゃん?」
明らかに義理ではない、高級そうな包装紙に包まれたチョコの送り主が、なんと兄の拓斗のところの娘、セレナだと知り、驚きの悲鳴を上げる花音。
「わああ、わああ、そうだったんだ、そうだったんだ、いつの間にかチョコを貰える関係に……きゃあああ、武くん! 私、まだおばあちゃんになる覚悟は出来てないよおおお!」
発想が飛躍しすぎている母に、武、ビックリ。
しかしもっとビックリした人が居間から飛び出してきた。
「なっ……武! そこへ直れぇええー!」
と、菩薩を抜刀する善。
「誤解です父上、母上!」
思わず韋駄天を抜いて、頭上に振り下ろされる菩薩を受け止める武。
そこにお兄ちゃん大好き花も加わり、夕城分家は大騒ぎのバレンタインとなった。
◇
すべては花音のせい。
武もそのチョコには見覚えがないらしく、不思議そうな顔で鞄を覗く。
「一体誰から……」
そう言いながら綺麗にラッピングされた包みを取り出すと、そこからメッセージカードがするりと落ちていった。
それを花音が拾い上げ、中を確認。
『武くんへ
ハッピーバレンタイン
橘セレナ』
「えええ、これ本命だよね? 拓ちゃんのとこのセレナちゃん?」
明らかに義理ではない、高級そうな包装紙に包まれたチョコの送り主が、なんと兄の拓斗のところの娘、セレナだと知り、驚きの悲鳴を上げる花音。
「わああ、わああ、そうだったんだ、そうだったんだ、いつの間にかチョコを貰える関係に……きゃあああ、武くん! 私、まだおばあちゃんになる覚悟は出来てないよおおお!」
発想が飛躍しすぎている母に、武、ビックリ。
しかしもっとビックリした人が居間から飛び出してきた。
「なっ……武! そこへ直れぇええー!」
と、菩薩を抜刀する善。
「誤解です父上、母上!」
思わず韋駄天を抜いて、頭上に振り下ろされる菩薩を受け止める武。
そこにお兄ちゃん大好き花も加わり、夕城分家は大騒ぎのバレンタインとなった。
◇
すべては花音のせい。