ポプリ
天神学園中等部に進学したシオン=グリフィノー(本名シオン=リザ=ユグドラシェルだが、氏名の変更が面倒なので天神ではグリフィノーのまま)は、ここ最近珍しく休み時間も自分の席についたままだった。
いつもならば真っ先に校庭に飛び出して行って友人らと駆け回っていたり、夕城道場に顔を出してみっちり扱かれたりしているのだが。今は自分の席で真剣に本を読んでいる。
そう、本。
決して頭が悪いわけではないのだが、勉強よりも体を動かす方が好きなシオンが、ここ数日ずっと本を読み耽っているのだ。
その姿を不思議に思った花龍は、ひょい、とシオンの読んでいる本を覗き込む。そして衝撃を受けた。
なんと、活字だったのだ。
なんと、活字だったのだ。
あまりにも衝撃を受けたので、二度言ってみました。
シオンは頭のいい母のおかげで、決して頭が悪いわけではない。だがしかし、彼が漫画ではなく小説を読んでいること自体が異常だった。
「……どうしたのシオン?」
どこか具合が悪いのではないだろうか。
そう思うほどには、シオンの読書姿は異様だった。
「ん?」
花龍の声にシオンは顔をあげ、深海色の猫目を丸くした。
「いつもなら外に行くのに、ずっと本読んでるから」
「ああ、だってこれ面白いんだもん。花龍にも貸してあげるから読んでみなよ!」
シオンは机の横にかけてある鞄から数冊の文庫本を取り出した。表紙に描かれている少年の絵柄を見るに、内容は男子が好みそうなバトルもののようだった。黄金色のオーラを纏い、こちらを睨みつけるようにして拳を突き出しているその姿は……。
いつもならば真っ先に校庭に飛び出して行って友人らと駆け回っていたり、夕城道場に顔を出してみっちり扱かれたりしているのだが。今は自分の席で真剣に本を読んでいる。
そう、本。
決して頭が悪いわけではないのだが、勉強よりも体を動かす方が好きなシオンが、ここ数日ずっと本を読み耽っているのだ。
その姿を不思議に思った花龍は、ひょい、とシオンの読んでいる本を覗き込む。そして衝撃を受けた。
なんと、活字だったのだ。
なんと、活字だったのだ。
あまりにも衝撃を受けたので、二度言ってみました。
シオンは頭のいい母のおかげで、決して頭が悪いわけではない。だがしかし、彼が漫画ではなく小説を読んでいること自体が異常だった。
「……どうしたのシオン?」
どこか具合が悪いのではないだろうか。
そう思うほどには、シオンの読書姿は異様だった。
「ん?」
花龍の声にシオンは顔をあげ、深海色の猫目を丸くした。
「いつもなら外に行くのに、ずっと本読んでるから」
「ああ、だってこれ面白いんだもん。花龍にも貸してあげるから読んでみなよ!」
シオンは机の横にかけてある鞄から数冊の文庫本を取り出した。表紙に描かれている少年の絵柄を見るに、内容は男子が好みそうなバトルもののようだった。黄金色のオーラを纏い、こちらを睨みつけるようにして拳を突き出しているその姿は……。