ポプリ
 髪色に合わせたピンクのビキニアーマーは確かに可愛らしかった。お尻を隠す白とピンクのフリルを重ねたミニスカートも、同じく首元を彩るフリルのチョーカーも、太腿まであるレギンスも。実に女の子らしいデザインだ。実用性はなさそうだが。

「そんな腹出してたら風邪ひくぞー? 俺、シンくんからお前がハレンチなことしないように見張ってろって頼まれてるんだからさぁ、ちゃんと制服着てこいよ」

「麗龍だって制服じゃないよ?」

「俺のは母国の血が確かに流れているという証だからいいんだよ」

「私だって勇者の証だよー?」

「勇者はそんなにハレンチじゃない!」

「ハレンチの何が悪いの? 紫陽花ちゃんだって言ってたよ。『服を着たら負けなんだ』……って」

「あんなスペシャルハレンチの言うことなんか聞くなああ!」

「むう、紫陽花ちゃんは私のイトコのお姉さんだもん。悪口言っちゃだめだよぉ。そんな酷いこと言う人はみじん切りにしちゃうぞぉ」

 と、シャンリーは腰の両脇に差してあるダガー、『プティ・ランスロット』に手を掛けた。これは兄のシオンから譲り受けたものである。

 それを見て麗龍も腰を低くして構える。

 今にも飛びかかりそうな両者。

 周りにいるクラスメイトたちはまた始まったと、麗龍のお姉ちゃんを呼びに行く。

 花龍がいればこの喧嘩はすぐに収まるのだ。

 ただし、シオンを撒いて連れてこないと、お姉ちゃん大好き(本人は否定しているが、端から見たらバレバレである)な麗龍が「この破廉恥野郎、花龍に近づくな!」と怒り出すので、注意が必要だ。










 硬派な麗龍と破廉恥シャンリー。真逆の従姉弟。

 麗龍はシオンのせいで花龍が大泣きしたと思っているので、若干敵視しています。でも強いところは尊敬しています。




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