ポプリ
何はともあれ、これで皇家と五公家には話を通した。皆改革には乗り気だった。けれども問題はどうやって神殿に話を通すかだ。正面から話を持って行っても、純粋なユグドラシェルの必要性を説かれて終わる可能性が高い。
レヴェントの言う通り、神殿の弱みを握ればいいといっても、どうするか。
皇太子は認めさせる気満々だが……。
「神殿にはどうやって認めさせるんだ? アイシャはあれでも魔力が高い。だから皇太子妃にと選ばれたのに」
「魔力の高い者同士の婚姻が必ずしも魔力の高い子を生み出すとは限らない。それは太上皇様が証明している。アイシャだってそうだろう。それを無視しているのは神殿の方だ。確かにユグドラシェルの血族でなければ精霊たちの盟約には応えられないから、出来うる限り純粋である方が望ましいのだろうが。……それでも今の神殿は皇族家をただの道具としか見ていない気がするね」
「確かにな」
シオンは頷く。
「これ以上神殿に力をつけさせるのは得策ではないと思うんだよ……我々、『神の一族』としては」
「じゃあどうすんだよ」
シオンの問いに、皇太子はまた感情の読めない目を寄越した。
「神殿がここまで大きくなったのは、我々が彼らの不正を黙認していたからだ。彼らに恩義のある我々は、細かいことには目を瞑っていなければならなかった。けれども昨今の神殿の暴走は目に余る。……その目に余る分だけを粛正しても、いいと思うのだけれど」
「うん」
そこで皇太子は綺麗な微笑みを浮かべた。
レヴェントの言う通り、神殿の弱みを握ればいいといっても、どうするか。
皇太子は認めさせる気満々だが……。
「神殿にはどうやって認めさせるんだ? アイシャはあれでも魔力が高い。だから皇太子妃にと選ばれたのに」
「魔力の高い者同士の婚姻が必ずしも魔力の高い子を生み出すとは限らない。それは太上皇様が証明している。アイシャだってそうだろう。それを無視しているのは神殿の方だ。確かにユグドラシェルの血族でなければ精霊たちの盟約には応えられないから、出来うる限り純粋である方が望ましいのだろうが。……それでも今の神殿は皇族家をただの道具としか見ていない気がするね」
「確かにな」
シオンは頷く。
「これ以上神殿に力をつけさせるのは得策ではないと思うんだよ……我々、『神の一族』としては」
「じゃあどうすんだよ」
シオンの問いに、皇太子はまた感情の読めない目を寄越した。
「神殿がここまで大きくなったのは、我々が彼らの不正を黙認していたからだ。彼らに恩義のある我々は、細かいことには目を瞑っていなければならなかった。けれども昨今の神殿の暴走は目に余る。……その目に余る分だけを粛正しても、いいと思うのだけれど」
「うん」
そこで皇太子は綺麗な微笑みを浮かべた。