ポプリ
すり鉢状のコロシアムのような鍛錬場では、たくさんの騎士たちが汗を流しながら鍛錬していた。
「あの騎士たちは、このお城の人たちなの?」
「そうだよ」
「……このお城って、シオンくんとシャンリーちゃんの家なのよね?」
「そうだよ」
「……ねえ、シオンくんとシャンリーちゃんって、もしかして王子様と王女様的な感じ?」
「言ってなかったっけ? まあ、そんな感じだよ」
「ええええー」
驚くことが多すぎてちょっと疲れてきたリプニー先生。
そこに、声がかかる。
「殿下!」
鍛錬する騎士たちの間を大股で横切りやってくるのは、黒い短髪に青い目をした、背の高い騎士だった。
「あ、リプニー先生、紹介するよ。これがヴィル。俺の専属騎士」
「リプニー・タナカ殿であられますか。私は近衛騎士団第六部隊所属、ヴィルヘルム=ガルシアです。本日は貴女の指導を担当させていただきます。よろしくお願いします!」
騎士らしい、はきはきとした物言いで挨拶をするヴィルヘルムに、リプニーは気圧されながらも頭を下げた。
「今日は、よろしく、お願いしますっ!」
騎士たちのたくさんいる鍛錬場からは離れ、隣の屋根のついた部屋に移る。
剣や槍、盾が立て掛けられているのを眺めながら歩いていると、もう一人、部屋に入ってきた。
「申し訳ありません、遅くなりました!」
現れたのは女性だ。
栗色の髪をきっちりと結い上げた、ラベンダー色の瞳の女性。臙脂色の長いドレスを身にまとっている。
「あの騎士たちは、このお城の人たちなの?」
「そうだよ」
「……このお城って、シオンくんとシャンリーちゃんの家なのよね?」
「そうだよ」
「……ねえ、シオンくんとシャンリーちゃんって、もしかして王子様と王女様的な感じ?」
「言ってなかったっけ? まあ、そんな感じだよ」
「ええええー」
驚くことが多すぎてちょっと疲れてきたリプニー先生。
そこに、声がかかる。
「殿下!」
鍛錬する騎士たちの間を大股で横切りやってくるのは、黒い短髪に青い目をした、背の高い騎士だった。
「あ、リプニー先生、紹介するよ。これがヴィル。俺の専属騎士」
「リプニー・タナカ殿であられますか。私は近衛騎士団第六部隊所属、ヴィルヘルム=ガルシアです。本日は貴女の指導を担当させていただきます。よろしくお願いします!」
騎士らしい、はきはきとした物言いで挨拶をするヴィルヘルムに、リプニーは気圧されながらも頭を下げた。
「今日は、よろしく、お願いしますっ!」
騎士たちのたくさんいる鍛錬場からは離れ、隣の屋根のついた部屋に移る。
剣や槍、盾が立て掛けられているのを眺めながら歩いていると、もう一人、部屋に入ってきた。
「申し訳ありません、遅くなりました!」
現れたのは女性だ。
栗色の髪をきっちりと結い上げた、ラベンダー色の瞳の女性。臙脂色の長いドレスを身にまとっている。