ポプリ
 頭や肩を上下させないように、上半身だけで動かないように意識しながら踏み込み、携行砲で突きを繰り出す。

 しばらくそれを繰り返してみて、下半身の筋力のなさを痛感した。

 かなりの重量がある携行砲。いつもこれを携えているのだから、足にもそこそこ自信があったのだけれど。この重量のある携行砲を近間の戦闘に使うとなると、足や腹に力がないと重心がブレて体勢が安定しない。

「先生、重心がブレてるぞー」

 部屋の隅で見ていたシオンから声がかかる。

「腹に力入れて、気を抜くなー。そんなヘナチョコな突きじゃやられっちまうぞー」

「わ、分かってます!」

 それでも、自信のある腕までプルプルと震えてくる。今までどれだけ携行砲に頼り切っていたのか、やっと自覚する。

 携行砲に振り回されるリプニーを見ていたシオンは、徐に彼女に近づいていった。

「歩法がちゃんと出来てないから教育的指導だな」

「きゃああああ!」

 シオン、リプニーの後ろからCM(乳を揉む)攻撃を繰り出す。

「何をするんですかっ!」

 リプニー、怒りの突き。

「あははは、そうそう、いい感じ。先生、俺に当てられるまでやってみろよ。時間が経過するごとにCMするからなー」

「ちょ、ちょっと!」

 突いてもひらりひらりと躱されて、一定時間ごとに接近してCMされるという、地獄の特訓が続いた。

 CMされないように頑張ったおかげで、突きは上達した。



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