ポプリ
押し上げられたピアノは、そっと優しく屋上に下ろされる。シオンの力強さと花龍の繊細さを合わせた見事な召喚術だった。
「よし」
シオンと花龍が顔を見合わせ、小さくハイタッチする姿を見ていた七音は、穏やかに目を細めた。
「……仲良くやれているようですね」
去年はずっと、ぎこちなく見えていた二人だけど。
今年に入ってから……特に二学期になってからは、昔のように気兼ねなく、友人として過ごしているように見えた。
七音の言葉に振り返った二人は、チラリと互いの顔を見やり、そして笑みを浮かべる。
「うん」
満面の笑みだ。
色々あったけれど、二人とも穏やかな時間を過ごせるようになったのなら、七音にとっても嬉しいことだ。
「楽器、運んでくださってありがとうございます。今日はお二人のために演奏しますよ」
七音は美しい微笑みを二人へ贈り、そして屋上への階段を上っていった。
やがて七音の背を見送ったシオンと花龍の耳にオーケストラの演奏が届く。それは新たな道を歩き出したシオンと花龍の背中を押すように、力強く響き渡った。
◇
良い関係を築けている様子のシオンと花龍に、七音も嬉しくなりました。
「よし」
シオンと花龍が顔を見合わせ、小さくハイタッチする姿を見ていた七音は、穏やかに目を細めた。
「……仲良くやれているようですね」
去年はずっと、ぎこちなく見えていた二人だけど。
今年に入ってから……特に二学期になってからは、昔のように気兼ねなく、友人として過ごしているように見えた。
七音の言葉に振り返った二人は、チラリと互いの顔を見やり、そして笑みを浮かべる。
「うん」
満面の笑みだ。
色々あったけれど、二人とも穏やかな時間を過ごせるようになったのなら、七音にとっても嬉しいことだ。
「楽器、運んでくださってありがとうございます。今日はお二人のために演奏しますよ」
七音は美しい微笑みを二人へ贈り、そして屋上への階段を上っていった。
やがて七音の背を見送ったシオンと花龍の耳にオーケストラの演奏が届く。それは新たな道を歩き出したシオンと花龍の背中を押すように、力強く響き渡った。
◇
良い関係を築けている様子のシオンと花龍に、七音も嬉しくなりました。