ポプリ
「じゃあ出て行けばいいのに。自由なんだろ、竜って」
「……それは」
レヴェントは押し黙った。
そして眉間に深く皺を寄せながらそっぽを向いた。
「僕たちは、あの人に逆らえないもの」
「シーちゃんって凄いんだね」
「……それは認めざるを得ないね」
レヴェントは心底ウンザリした顔で、それでもシルヴィのことは認めているようだった。
レヴェントはシルヴィには逆らえない。
恐らく、このミルトゥワにいる竜種はすべて、同じだろう。
だって彼女は『古代竜』だから。
古代竜は、すべての竜の始祖らしい。始祖竜というのは彼らにとっては特別で、決して逆らうことは出来ないのだとか。
つまりシルヴィはある意味本当に竜たちの母なのだ。
人族のように、血や民主主義の投票により王が選ばれるわけではなく、より強い者が王として選ばれる魔族。その中で認められているのだから、その実力は相当高い。
そしてグリフィノーは、竜の頂点にいる古代竜を飼いならしている(?)わけである。グリフィノーが一目置かれ、ともすれば皇族並みの権力を得ている一因がこれだ。
「……いつかきっと、あの人より強くなってやる」
静かな野望を滾らせる竜の従兄弟に、シオンは軽く笑いながら「頑張れ」とエールを送った。
◇
今更ながら、古代竜の真実をチラリ。
『宝物めが~』は、東北の方言。
愚か者、馬鹿者、などを意味します。
「……それは」
レヴェントは押し黙った。
そして眉間に深く皺を寄せながらそっぽを向いた。
「僕たちは、あの人に逆らえないもの」
「シーちゃんって凄いんだね」
「……それは認めざるを得ないね」
レヴェントは心底ウンザリした顔で、それでもシルヴィのことは認めているようだった。
レヴェントはシルヴィには逆らえない。
恐らく、このミルトゥワにいる竜種はすべて、同じだろう。
だって彼女は『古代竜』だから。
古代竜は、すべての竜の始祖らしい。始祖竜というのは彼らにとっては特別で、決して逆らうことは出来ないのだとか。
つまりシルヴィはある意味本当に竜たちの母なのだ。
人族のように、血や民主主義の投票により王が選ばれるわけではなく、より強い者が王として選ばれる魔族。その中で認められているのだから、その実力は相当高い。
そしてグリフィノーは、竜の頂点にいる古代竜を飼いならしている(?)わけである。グリフィノーが一目置かれ、ともすれば皇族並みの権力を得ている一因がこれだ。
「……いつかきっと、あの人より強くなってやる」
静かな野望を滾らせる竜の従兄弟に、シオンは軽く笑いながら「頑張れ」とエールを送った。
◇
今更ながら、古代竜の真実をチラリ。
『宝物めが~』は、東北の方言。
愚か者、馬鹿者、などを意味します。