ポプリ
よろしく、と手を差し出すと、相手も応えてくれた。
それから改めて非礼を詫びる。気にすんな、と言った斑鳩は、早川家までの道のりを案内してくれることになった。
「斑鳩はいつもこの辺を飛んでいるのか?」
「ああ、見回りをな。この地区は色んなものを集めるからな。それに今は……兄貴のことも、あるからな」
鴉丸禿鷲のことだとすぐに分かり、ティーダは瞳を鋭くした。
「鴉丸の一族の不始末を、天神のヤツラ……お前の父ちゃんとかな。他の者にに任せちまった。一族としてもこのまま放置するわけにはいかねぇってんで、学園を中心に見回ってんだよ」
「斑鳩も学園に在籍してるのか?」
「いや、俺は……じいちゃんからはそうしろって、一度言われたんだけどよ……」
斑鳩は口籠った。
ティーダは首を傾げながら続く言葉を待つ。
「俺と龍鷺郎兄貴は封印する側だったからな。禿鷲兄貴には恨まれてるかもしれねぇし、下手に刺激したくねぇってのがある。けど、それだけじゃなくてさ。なんつーか、やっぱ、兄弟だから……。禿鷲兄貴には直接会ったことはねぇんだよ。情なんて湧くはずもねぇんだ。でも、なんとなく……な」
同じ血を分けた兄弟に対し、複雑な想いを滲ませる斑鳩。ここにも禿鷲によって傷つけられている者がいた。ティーダは彼の横顔を見つめ、それから空を仰いだ。
「それなら尚更、俺がちゃんと見張ってないといけないな。禿鷲と龍一郎が暴走しないように」
誰かが傷つくのは嫌だ。
誰かが泣くのも嫌だ。
守らなくてはならない。
そう、決意を新たにする。
「大丈夫。学園の中は俺が守る」
力強く宣言すると、斑鳩はふっと笑みを零した。
「ああ、頼む。まぁなんかあったら呼べよ。助けてやっからよ」
「分かった」
話しているうちに、辺りが賑やかになってきた。たくさんの人が行き交う中華街。早川家はもうすぐだ。
◇
斑鳩の見た目は相変わらず中学生っぽいまま。お兄ちゃんたちはすぐ大きくなったのにね…。
奏楽は和音の孫です。機会があれば登場します。
それから改めて非礼を詫びる。気にすんな、と言った斑鳩は、早川家までの道のりを案内してくれることになった。
「斑鳩はいつもこの辺を飛んでいるのか?」
「ああ、見回りをな。この地区は色んなものを集めるからな。それに今は……兄貴のことも、あるからな」
鴉丸禿鷲のことだとすぐに分かり、ティーダは瞳を鋭くした。
「鴉丸の一族の不始末を、天神のヤツラ……お前の父ちゃんとかな。他の者にに任せちまった。一族としてもこのまま放置するわけにはいかねぇってんで、学園を中心に見回ってんだよ」
「斑鳩も学園に在籍してるのか?」
「いや、俺は……じいちゃんからはそうしろって、一度言われたんだけどよ……」
斑鳩は口籠った。
ティーダは首を傾げながら続く言葉を待つ。
「俺と龍鷺郎兄貴は封印する側だったからな。禿鷲兄貴には恨まれてるかもしれねぇし、下手に刺激したくねぇってのがある。けど、それだけじゃなくてさ。なんつーか、やっぱ、兄弟だから……。禿鷲兄貴には直接会ったことはねぇんだよ。情なんて湧くはずもねぇんだ。でも、なんとなく……な」
同じ血を分けた兄弟に対し、複雑な想いを滲ませる斑鳩。ここにも禿鷲によって傷つけられている者がいた。ティーダは彼の横顔を見つめ、それから空を仰いだ。
「それなら尚更、俺がちゃんと見張ってないといけないな。禿鷲と龍一郎が暴走しないように」
誰かが傷つくのは嫌だ。
誰かが泣くのも嫌だ。
守らなくてはならない。
そう、決意を新たにする。
「大丈夫。学園の中は俺が守る」
力強く宣言すると、斑鳩はふっと笑みを零した。
「ああ、頼む。まぁなんかあったら呼べよ。助けてやっからよ」
「分かった」
話しているうちに、辺りが賑やかになってきた。たくさんの人が行き交う中華街。早川家はもうすぐだ。
◇
斑鳩の見た目は相変わらず中学生っぽいまま。お兄ちゃんたちはすぐ大きくなったのにね…。
奏楽は和音の孫です。機会があれば登場します。