ポプリ
賑やかな中華街の喧噪から離れた裏通り。そこを少し歩いていくと、こじんまりとした一軒家が見えてきた。ここが早川麗龍の家だ。
中古物件らしい、味のある白い壁の洋館の奥には、芝生が綺麗に刈り込まれた広い庭が見えた。体を動かすスペースが欲しくてこの家に決めたんだ、と麗龍が話していたのを思い出す。
案内してくれた斑鳩に礼を言い、ティーダは早川家の玄関のインターフォンを鳴らした。
すぐに白い扉が開き、見慣れた黒い弁髪の、翡翠色の目をした青年が顔を出した。
「おー、待ってたぞティーダ。迷子にならずに来れたか」
歓迎の意を表すように両手を広げる麗龍。
「うん、斑鳩に会って案内してもらったんだ」
ティーダも両手を広げて、麗龍と軽く抱擁を交わす。それからお世話になります、と頭を下げて、ショートブーツを脱いで上がり込んだ。
リビングに通されると、金色のふわりとした肩までの髪に、碧い瞳の女性がにこにこしながら待っていた。
「麗龍兄ちゃん、この人が──」
「おう、俺の奥さんだ!」
照れたように笑いながらも、麗龍は奥さんの隣に並び、紹介してくれる。……なんとなく、誰かに似ているような。
「はじめまして、ティーダくん。麗龍くんの妻のユリアです。よろしくね」
ほわん、とした微笑みを浮かべたユリアが、麗龍の真似をして両手を広げたので、ティーダもそれに応えようとした。……のだが。
ぐわし、と麗龍に頭を鷲掴みにされてしまった。
「この家に住む第一条件として、俺のハニーに接近することを禁止するぞ。半径3メートル以内に近づくな、分かったか青少年」
「あらあら、この家の中で3メートルって言ったら、大変~」
鋭く睨みつける麗龍に、ほわほわと微笑むユリア。
中古物件らしい、味のある白い壁の洋館の奥には、芝生が綺麗に刈り込まれた広い庭が見えた。体を動かすスペースが欲しくてこの家に決めたんだ、と麗龍が話していたのを思い出す。
案内してくれた斑鳩に礼を言い、ティーダは早川家の玄関のインターフォンを鳴らした。
すぐに白い扉が開き、見慣れた黒い弁髪の、翡翠色の目をした青年が顔を出した。
「おー、待ってたぞティーダ。迷子にならずに来れたか」
歓迎の意を表すように両手を広げる麗龍。
「うん、斑鳩に会って案内してもらったんだ」
ティーダも両手を広げて、麗龍と軽く抱擁を交わす。それからお世話になります、と頭を下げて、ショートブーツを脱いで上がり込んだ。
リビングに通されると、金色のふわりとした肩までの髪に、碧い瞳の女性がにこにこしながら待っていた。
「麗龍兄ちゃん、この人が──」
「おう、俺の奥さんだ!」
照れたように笑いながらも、麗龍は奥さんの隣に並び、紹介してくれる。……なんとなく、誰かに似ているような。
「はじめまして、ティーダくん。麗龍くんの妻のユリアです。よろしくね」
ほわん、とした微笑みを浮かべたユリアが、麗龍の真似をして両手を広げたので、ティーダもそれに応えようとした。……のだが。
ぐわし、と麗龍に頭を鷲掴みにされてしまった。
「この家に住む第一条件として、俺のハニーに接近することを禁止するぞ。半径3メートル以内に近づくな、分かったか青少年」
「あらあら、この家の中で3メートルって言ったら、大変~」
鋭く睨みつける麗龍に、ほわほわと微笑むユリア。