ポプリ
そんなある日。
庭で汗だくになりながら腕立て伏せをしていると、母のリィに声をかけられた。
「麗龍、悪いんだけどお使いにに行ってきてくれる……?」
「ん、ああ、いいよ別に。どこまで?」
「花龍のところに行って、ルナちゃんに玩具を届けてきて。それから天神スーパーで砂糖を二袋と牛乳をお願い。帰りにアイス買っていいからね」
「やった!」
買い物代は多めに渡された。余った分はお小遣いというわけだ。
「麗龍、行くなら走っていけよ」
修行を見ていた龍娘にそう声をかけられる。
「分かってるって。行ってきまーす!」
このとき、元気よく家を出ていく麗龍を見送るリィと龍娘が、顔を見合わせて意味深に微笑み合ったのだが、麗龍はそれに気づかなかった。
行く途中、大荷物を持って歩いているおばあさんを助けたり、風船を飛ばして泣いている女の子に風船を取ってあげたりと、人助けをしながらツェペリ邸へ向かう。
玄関を開けて出迎えてくれたのは、4歳になったルナだ。
ふわりとした長い黒髪はゆるくツインテールにされていて、ぱっちりした翡翠色の瞳は少し眠そうだが、麗龍を見ると柔らかく微笑んでくれた。
「らいとくん、いらっしゃいませ~」
相変わらず姪っ子はかわいい。
ふわりとした笑顔に癒される。真夏の太陽の下を走ってきたせいで噴き出していた汗が、心地良いものへと変わる瞬間だ。
庭で汗だくになりながら腕立て伏せをしていると、母のリィに声をかけられた。
「麗龍、悪いんだけどお使いにに行ってきてくれる……?」
「ん、ああ、いいよ別に。どこまで?」
「花龍のところに行って、ルナちゃんに玩具を届けてきて。それから天神スーパーで砂糖を二袋と牛乳をお願い。帰りにアイス買っていいからね」
「やった!」
買い物代は多めに渡された。余った分はお小遣いというわけだ。
「麗龍、行くなら走っていけよ」
修行を見ていた龍娘にそう声をかけられる。
「分かってるって。行ってきまーす!」
このとき、元気よく家を出ていく麗龍を見送るリィと龍娘が、顔を見合わせて意味深に微笑み合ったのだが、麗龍はそれに気づかなかった。
行く途中、大荷物を持って歩いているおばあさんを助けたり、風船を飛ばして泣いている女の子に風船を取ってあげたりと、人助けをしながらツェペリ邸へ向かう。
玄関を開けて出迎えてくれたのは、4歳になったルナだ。
ふわりとした長い黒髪はゆるくツインテールにされていて、ぱっちりした翡翠色の瞳は少し眠そうだが、麗龍を見ると柔らかく微笑んでくれた。
「らいとくん、いらっしゃいませ~」
相変わらず姪っ子はかわいい。
ふわりとした笑顔に癒される。真夏の太陽の下を走ってきたせいで噴き出していた汗が、心地良いものへと変わる瞬間だ。