ポプリ
「──シェイド。その闇で彼の者を眠りへと誘え」

 銃口から飛び出したのは闇の精霊、シェイドの黒い靄。

「うわっ?」

 宙にいるために方向転換出来ないシオンは、成す術なくその靄に包まれ、そのまま廊下の上に転がされた。

 花龍は銃口を下げ、恐る恐るシオンの顔を覗き込む。良く眠っているようだった。

「任務、完了……」

 肩にかかった三つ編みをピン、と弾き、アルトゥルスを腰のホルスターに戻す。

 そうしてシオンの頭をよしよし、と撫でた後、誰か保健室に運んでくれる人を連れてこなくては、と立ち上がろうとすると。

 シオンの深海色の目がぱちっと開いた。

 花龍は驚いて飛び退く。

「シオン=グリフィノー、ふっ、かつ!」

 にいっと笑うシオンに、花龍は再び涙目。いかに花龍が未熟とはいえ、精霊の与えた眠りからこんなに早く目覚めるなんて。

「こ、これは、想定外~!」

 花龍、逃げる。

「あっ、待ってよ花龍~、優しくだきしめてあげるからぁ~」

 シオン、追いかける。

 再び鬼ごっこ開始。


(ふぇえええーん、こうなったら職員室に行って、鬼龍先生のおっぱいに庇ってもらうぅ~)

 花龍の叔母にあたる鬼龍は、並ならぬけしからん乳の持ち主。その乳に護ってもらおうと、花龍は一目散に廊下を駆けて行った。










初等部組がご迷惑をおかけますシリーズ、はじまるよ~





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