ポプリ
「野生児だな!」
いつもどこで遊んでるんだ。あ、旅先の大自然か、と納得しながら追いかける。
庭木の枝は恐らく、麗龍の体重には耐えられない。ティーダの軽い体重だからああやって枝から枝へ渡っていけるのだ。
というわけで、麗龍は下を走り、追いかける。
ガサガサと鳴る音と揺れる枝を頼りに走っていき、ティーダが枝から手を離したのを捉えた瞬間に地面を蹴った。
「捕まえた!」
空中でティーダをキャッチして、軽く一回転してから地面へ降りる。
「ふおお、らいとにーちゃ、父上みたいだねぇ、すごいねぇ」
と、ティーダの蒼い目が輝く。
「……シオンと鬼ごっこやってたら、そりゃこんだけ動けるようになるか……」
シオンは息子を超人にでもしたいのだろうか……。
そんな感想を抱いたティーダとの鬼ごっこだった。
シャンリーの婚約式が終わってからも、麗龍は召喚術の修行のために時々ミルトゥワを訪れた。
ティーダと会えたときには積極的に遊んでやったのだが、その度に「らいとにーちゃ、すごいねぇ」とキラキラした目で言われ、「にーちゃ、にーちゃ」と雛鳥のように後をついてくる。
慕われると悪い気はしないものだ。
「……弟っていうのも、いいな……」
末っ子麗龍はお兄ちゃんになった気分でちょっと嬉しかった。
◇
勇者四代が揃うのは、これが最初で最後。
シリーズ、次章で終幕です。
いつもどこで遊んでるんだ。あ、旅先の大自然か、と納得しながら追いかける。
庭木の枝は恐らく、麗龍の体重には耐えられない。ティーダの軽い体重だからああやって枝から枝へ渡っていけるのだ。
というわけで、麗龍は下を走り、追いかける。
ガサガサと鳴る音と揺れる枝を頼りに走っていき、ティーダが枝から手を離したのを捉えた瞬間に地面を蹴った。
「捕まえた!」
空中でティーダをキャッチして、軽く一回転してから地面へ降りる。
「ふおお、らいとにーちゃ、父上みたいだねぇ、すごいねぇ」
と、ティーダの蒼い目が輝く。
「……シオンと鬼ごっこやってたら、そりゃこんだけ動けるようになるか……」
シオンは息子を超人にでもしたいのだろうか……。
そんな感想を抱いたティーダとの鬼ごっこだった。
シャンリーの婚約式が終わってからも、麗龍は召喚術の修行のために時々ミルトゥワを訪れた。
ティーダと会えたときには積極的に遊んでやったのだが、その度に「らいとにーちゃ、すごいねぇ」とキラキラした目で言われ、「にーちゃ、にーちゃ」と雛鳥のように後をついてくる。
慕われると悪い気はしないものだ。
「……弟っていうのも、いいな……」
末っ子麗龍はお兄ちゃんになった気分でちょっと嬉しかった。
◇
勇者四代が揃うのは、これが最初で最後。
シリーズ、次章で終幕です。