ポプリ
 そんな話をしながら朝食を終え、それぞれ学校と会社に行く支度をする。

「ティーダくん、いつも学食じゃあ栄養が偏るかもしれませんから、たまにはお弁当を持って行ってくださいね~」

「ありがとうございます!」

 特大サイズのお弁当を受け取り、ティーダは元気よく玄関の扉を開けた。

 それをニコニコ笑顔で見送ったユリアは、黒のロングコートを着込んでいる麗龍へ視線を向ける。

「ダーリン~」

 と、艶やかなピンクの唇を少しだけ突き出して目を閉じる。

 麗龍はチラリと後ろを振り返り、ティーダが完全に出て行ったことを確認してから。ちゅ、と、軽く唇を合わせた。

 そして靴を履いて、玄関ドアのところで振り返る。

「俺が出て行ったらすぐ鍵をかけろ。インターフォンが鳴ったら必ず誰か確認しろ。知ってるヤツでも信用するな。もし出かけるなら細心の注意を払え。知り合いに会っても俺とティーダ以外のヤツには絶対についていくな」

「はいはい~」

 麗龍の鬱陶しい注意事項に愛を感じ、笑顔で頷くユリア。

「ライくんも気を付けて行くんですよ~。最近痴漢が増えているそうなので、電車では気を付けてくださいね~」

「大丈夫だ。そんなヤツは捻り潰してやるから」

「あらあら、私の旦那様ってば、頼もしいです~」

 うふふ~と微笑むユリアに、「行ってきます」ともう一度キスをして、家を出る。



 結婚したばかりの新婚さん。

 まだまだお熱いようです。











 麗龍とユリアの物語、これにて一件落着。

 お付き合いありがとうございました。





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