ポプリ
「そうなんですか……」

 そう会話している間にティーダはシャンリーと花龍に「こんにちは!」と元気に挨拶をし、その花龍の膝でとろんとしているルナに気付いた。

「ん~?」

 蒼い目をパチパチとさせ、ティーダは興味津々にルナに近づく。

 とろりとした翡翠色の瞳は宝石のような輝きを湛えていて、ふわりと広がる長い黒髪は夜空のようだ。

 髪に飾られたピンクのリボンと、甘ロリと呼ばれるフリルとリボンがふんだんに使われた、優しい色合いのドレスを着ている彼女は、まさにお姫様だった。

「このかわいいこ、だれ~?」

 と、シャンリーを振り返る。

「ルナちゃんだよ。前に何度か会ってるんだけど、忘れちゃたかな~?」

「小さかったからね」

 花龍が微笑む。

「ティーダ、こんにちははしたの?」

「まだだった!」

 リプニーに言われて、ティーダはルナに向き直る。

「ルナ、こんにちは!」

 にっこにこのい笑顔でルナに挨拶をする。けれどもルナは花龍の膝の上でとろんとしたままだ。

 ティーダは目をぱちくりさせて、首を傾げる。

 それからルナの顔を覗き込んだり、反対側に首を倒してみたり、ソファの周りをぐるぐる回ってみたりとチョロチョロしていた。

 そうしてルナのところへ戻ってくると、

「こんにちは~?」

 少し声量を下げて、また挨拶を試みる。

 けれどもやはりルナはとろんとしたままだった。煩げにティーダを見て、ぷい、と顔を逸らす。

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